前回の中国人が書いた日本語に対する添削の続きです。
作文をもう一度こちらに表示させます。
こんばんは。
「会社はもう困難な時期、いわゆるいばらの道を過ごした。
今後も万事順調ではないが、すでに軌道に乗ったに違いない。」
っていう文が正しいですか?
まず始めに質問文は「文は正しいですか」にするべきでしたね。詳細は前回の記事をご確認ください。
改めて修正後の文章を提示します。
こんばんは。
「会社はもう困難な時期、いわゆるいばらの道を過ごした。
今後も万事順調ではないが、すでに軌道に乗ったに違いない。」
っていう文は正しいですか?
どこを修正をすべきかがわかりますか。
直すべき点は「いばらの道を過ごした」です。
では、どのように修正すればいいいでしょうか。
この作文は非常に惜しい出来です。
実は「過ごした」の部分が間違いです。「過ごした」ではなく「過ぎる」とするといいです。
「過ごす」の前には時間や期間を表す語が来ます。
例文:少年期をアメリカで過ごした。/リゾート地で休日を過ごす。/富裕層の一部はマレーシアで余生を過ごす傾向がある。
「過ぎる」は「ある場所を通り越す」、「ある状態を通り越す」をという意味です。
例文:交差点を過ぎると友達の家がある。/デモ隊が眼前を過ぎていく。/嵐が過ぎるのを待つ。
交差点のように物理的なものから、嵐のように形のないものまで使えます。
ここで、作文を見てみましょう。
作文は「いばらの道」とあります。道は物理的なもですが「いばらの道」ということば観念的な意味で「辛い状態」という意味です。したがって、そのような状態が「過ぎた」ということが言えます。
最後に「いばら」の漢字を紹介しましょう。
いばら→茨・荊・棘の3つの漢字が使えます。この3つの漢字は「いばら」と書きますが、3つとも常用漢字ではないので漢字で書かなくても大丈夫です。
「茨」に関しては茨城(いばらき)県や大阪府茨木(いばらぎ)市があるので、読める日本人も居ますが、残り二つは日本人はすぐには読めないでしょう。
「棘」に関しては「とげ」と読める日本人は居ると思います。