今回のテーマ
際にHello Talkにおいて、公開された日本語を添削します。他人の間違いからも日本語の作文が勉強できると思います。
始めに、原文を載せます。続いて添削した文を載せます。
作文
原文
人生の交差点に立って 1つの道は給料少ないけど 好きだし、上手な仕事 もう一つは全然興味ない でもたくさんお金設けられます どちらにいいか
以上が原文です。句点(「。」のこと)が無く文章の切れ目が分かりづらいので、適切に分けて、文法の修正をします。
文法の修正
人生の交差点に立って
人生の交差点に立つ。
1つの道は給料少ないけど 好きだし、上手な仕事
1つの道は給料は少ないけど 好きだし、上手な仕事 。
もう一つは全然興味ない
もう一つは全然が興味ない。
でもたくさんお金設けられます
でもたくさんお金を儲けられます 。
どちらにいいか
どちらがいいか 。
どちらに進むべきか。
どちらを取るべきか。
解説
接続助詞「て」用法
「人生の交差点に立って」の「て」について解説します。
「て」には様々な用法がありますが、今回、この作文を書いた人は以下の2つのどちらかの意味で使おうとしたのでしょう。
①引き続いて他のことが起こる関係を示す。
「朝起きて顔を洗う。」、「立ち寄って話をする。」
②動作を行う時の様態を表す。」
「手をつないで歩く。」、「黙って付いて行く」、「寝ないで待つ。」
原文では、「 人生の交差点に立って 1つの道は給料少ないけど 好きだし、」とあります。
①の用法であるとすると「交差点に立つ」ことが「給料が少ない」や「好き」というものを引き起こすのは論理的ではないですよね。
「朝起きる」と、「顔を洗う」ことは有り得ますよね。(他にも、歯を磨く、朝食を取る、新聞を読むでも良いです。)
②の用法であるとすると、後に続くのは動作ではないから適切でないとも言えます。(必ずしも動作である必要がない場合もあります。例えば、「友人と会わないで、久しい。」。「久しい」とは長いという意味です。)
また、「給料が少ない」や「好き」という状態は「人生の交差点に立つ」という状態とは直接的には無関係です。したがって②も適切ではないです。
ゆえに、ここでは「て」を使って、無理に接続せずに「人生の交差点に立つ。」と書いて、文章を終わらせましょう。
句点(「。」)を付ける。
日本語では、基本的に終止形や終助詞が来たら句点を付けます。
他にも名詞で言い切りの場合、「体言止め」といい、これも句点を書きます。
例:「今日は日曜日。気分がいいな。」
添削中では、「上手な仕事。」を体言止めとしてみました。
日本の学校教育では、文章を書く際に、句点を付けるべきところに付けていないと、解答の内容が良くても、減点されます。たかだか句点と侮らないで意識してつけましょう。
「どちらにいいか」は正しいか?
「に」は基本的に場所や方向を示す助詞です。作文中では「交差点」という比喩を使っているので「方向性」があるので、「に」が使えそうという気持ちも分かります。
しかし、職業を道路や場所と考えるのは比喩であり、直接的には「方向性」が薄いです。職業は始めに具体的選択肢です。次に人生の方向と言う意味で方向性が現れます。ですから、単純に主語をあらわす「が」を用いましょう。
「に」を使うには「進む」などを使えば「方向性」が出て、「どちらに」と使えます。「いいか」では「方向性」が無く不自然に聞こえます。
「どちらにいいか」はこの場合に使えないだけで、文法自体は間違っていませんので、他の場面でつかいましょう。
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