日本語解説
ある中国人から送られた作文の添削とその解説です。
こんばんは。
「会社はもう困難な時期、いわゆるいばらの道を過ごした。
今後も万事順調ではないが、すでに軌道に乗ったに違いない。」
っていう文が正しいですか?
まず,この作文を添削する前に、質問文が少々不自然です。どこが不自然かわかりますか。
実は「文が正しいですか?」の「が」が少々不自然です。
結論からいうとここは「は」にするべきでしょう。
「が」であると述部(ここでは「正しい」の部分)の内容に当てはまるものを、ある範囲の中から選び出した意味合いがあります。これは格助詞の「が」です。すなわち、本例文以外の例文も存在してて,「本例文を対象にして正しい」かどうかということを質問者は他の例文の中から選んで聞いています。
例:田中さんが次の部長だ。(同じ部署全員が範囲) 先進国の国民の中で日本人が英語が一番下手だ。(先進国の国民という範囲)
「は」にすると、判断の主題を提示します。これは副助詞の「は」です。主部の事柄だけに焦点を当てた言い方です。これによって質問者はこの例文だけに関して正否を尋ねていることになります。
例:彼はオランダ人だ。(彼のことしか指していない)。→彼がオランダ人だ。彼女は(が)ドイツ人だ。(二人という範囲のうち男性の方だけを選び出してオランダ人と判断している。)
課長は出かけています。(出かけている人は課長しかあり得ないという状況) 課長が出かけています。(会社の中で出かける可能性のある人は複数存在して、その中で今回は課長が出かけたという意味合い。)